里庄のニンニク兄弟3rd season
わしら里庄のニンニク兄弟を覚えてくれとるじゃろうか。
「きらり」でバイクに乗ったまま消えてしもうた兄風。あれからわしは兄風に会うてない。
わしは順調にエンターテイメント業界で成功し続けとる。
バキバキにキメてイケメン具合にニヤニヤが止まらないわし。
もちろんコンサートも大盛り上がりじゃ。
流し目たまらんじゃろ?
コンサート後とんでもない事が起こったんじゃ。
わしは宇宙人たちに追いかけられた。
宇宙人に捕まったわしは意識が朦朧となった。
帰ろう…
きらり…
思い出すのは風兄じゃ…。
そしてもう一つ思い出した…。
渾身の変顔を…!
この変顔が心の奥の大事な部分に触れた。わしは無性に兄風に会いたくなった。
そして兄風探しの旅に出た。
兄風の大好きなインドじゃ。
インドに着くと時々フラッシュバックの様にインドの神様を見た。
ヒッチハイクもした。
神様を見た。
自転車はケツが痛かった。
神様を見た。
電車にも乗った。
神様を見た。
兄風はどこにもいない…。
途方に暮れたわしはガンジス川に入った。
色々な物が流れる河。沢山の人が祈る河。それを全部ひとまとめにし、包み込む聖なる河。
そして神様に…
その時わしの心が震えた。
一瞬にして高次元に飛ばされたわしの意識。
そこで会った。
四角い顔の兄風に。
そうか、兄風はわしと共におったんか。孤独感から解放されるわし。みんな一緒におるんじゃ。
そしてわしらはニンニクダンスを踊った。
ニンニクっぽくない?この丸く円を描くところがニンニクの丸さじゃ。
ニンニクの芽のように力強く伸びるで!
わしらは喜び合った。
そして幸せのニンニクパウダーに包まれていった。
大丈夫。
大丈夫。
みんな愛と共にあり
その愛を感じて
心穏やかに生きていける。
おしまい。
この物語はフィクションです。